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2006年03月05日

雪の田園地帯の在宅ケアサービス

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2月27日(月曜日)

今日から2泊3日でエスロブ市の北にあるビリンゲという農村地帯に宿泊してエスロブ市の在宅ケアサービスの取材をします。 朝7時にB&B(朝食付き民宿)を出た外の風景が上の写真。在宅ケアの事務所には5人のアンダーナース(准看護師)が揃い、 簡単な打ち合わせをしていました。エスロブ市全体では、409人の利用者がいます。田園地帯と市内に分かれていて、 田園地帯は3つのグループに分かれ、利用者は136人。そのうち、ビリンゲには30人の利用者がいます。 これをいろいろな時間帯で働く19人のスタッフでケアに当たっています。 IMG_5368
春が近いなんてブログに書いたばかりなのに、今日は冬に逆戻り。車の雪を払う仕事から一日が始まります。今日、 私はモニカさんというベテランのアンダーナースに、7:00から10:00、30分の休憩を挟んで13: 30頃まで付いて回ることになっています。 最初の訪問はビリンゲの東南にあるスティハグという村に住む一人暮らしの婦人の訪問から始まります。太陽がまぶしく昇っています。

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モニカさんは必ず「レディ」という英語で利用者を呼んでいました。 最初に訪問したレディの家は去年の秋にも訪問した家。彼女は1937年から古くて小さなこの家に住み、 一度も結婚をしないままで過ごしてきました。リュウマチで両手が変形してほとんど使えません。3匹の猫を屋外で飼っていて、 えさを作るのもアンダーナースの仕事。モニカさんはポストから新聞を出し、家の鍵をあけ、 奥の部屋のベッドで寝ている彼女の名前を元気な声で呼び、「グモロン」という朝の挨拶から仕事を始めました。

今日は清拭の日。地下のシャワールームにはもう行けないので、台所で身体を拭きます。紙タオルをお湯で濡らし身体を拭いてから、 タオルでその後を乾かし、最後にクリームを塗ります。洋服を着るのは二人の共同作業。ホームケアアラームのペンダントを首にかけます。 メガネを水道で洗い拭きます。左足の傷の包帯も変えました。彼女が歩行器で、台所のテープルに移動している間に、朝食の用意をします。 パンにバターと蜂蜜を塗り、ヨーグルトをお皿に盛ると、ドリップ式のコーヒーがいい匂いを漂わせます。この間、2人の会話が途切れません。 ベッドメーキング。フリーザーから、お昼の食事(ディナーと呼んでいる一番豪華な食事)のパックを取り出し、電子レンジに入れておきます。 モニカさんは薬を引き出しから取り出し、水の入ったコップと一緒に渡します。最後に、黄色いノートを取り出して、薬が済んだサイン。これで、 一日、4回の彼女への訪問のうちの朝が終わりました。この間、30分。食料品の買い物と部屋の掃除は隣に住む、65歳の友人がしてくれます。 食器を流しに片付けるのは彼女が不自由な手を使い自分でしていました。

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この後は、93歳の元気な女性の家、80代のかなり散らかった男性の家、 リューマチを患いながらも元気な75歳の女性の家、古い農家に夫婦で住む家、と4軒を回ります。 おしゃべりを快活にして安否確認をするだけの家、頭にアミカラーを巻いてあげ、コーヒーを一緒に飲む家など、 臨機応変に利用者のニーズに合わせて滞在の形が変わります。

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この間、何度か携帯で他のアンダーナースと連絡を取ります。オフィスに戻ったのが、11時17分。 鍵を金庫に戻して、コーヒーブレイクが待っていました。IMG_5413

短い休憩を終えて、また、昼ごはんに合わせて訪問。この日、 朝からお昼にかけてのモニカさんの仕事が終わったのが午後1時30分。車の走行距離をノートに最後に記帳します。今日は54キロでした。 「車でスコーネの、地平線まで広がる畑の中を走っていると幸せな気持ちになるの」とモニカさんは語りました。」

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投稿者 :rumi  |  2006年03月05日 01:25

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