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2006年03月06日

在宅サービス手際のよさ

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2月28日(火曜日)
今日もビリンゲにあるエスロブ市の田園地帯の在宅ケアサービスを取材しています。
昨日同様、 朝5時半に起床して7時からの出動。今日はチームリーダーのイングリッドさんのケアに付き添いました。1949年生まれの彼女は私と同世代。 身体が自然にきびきび動き、手際がいい。無駄がなく、気ぜわしくない。昨日の皆さんもそうでしたが、ケアの仕事は、 よい経験を重ねることが大切だとわかりました。

25分ほど車を走らせ、最初に行ったのはストッカマランという村。彼女の義理のお母さんの家です。 92歳になるオリガさんは1949年から写真の家に住んでいます。玄関のドアーの鍵を開け、元気に「グモロン」 とオリガさんが寝ている寝室に入ります。。「今日は日本人が一緒だけどいい」と了解を得ます。ポータブルトイレの中をトイレに流し、 ベッドに寝ているオリガさんの血行が悪くて膨れた足に、循環をよくするストッキングをはかせるのが最初の仕事です。 おしゃべりをしながら10分で済ませると、窓のブラインドだけ開けて、後はお母さん自身に任せて、 今度は隣の同じような建物に住む91歳のイルマさんの家に向かいます。

イルマさんは着替えを済ませ、イングリッドさんを心待ちにしていたようです。キッチンのテーブルに座ったイルマさんとお喋りをしながら、 イングリッドさんはサンドイッチを用意、コーヒーを入れます。朝ごはんは何がいいか、常にイルマさんの好みの確認を怠りません。 イルマさんもはっきりと答えています。お喋りを続けながら、隣の寝室のベッドメイキングをします。終わるとすぐに台所に戻り、 いくつかの食器を洗います。何度も丁寧に拭くので流しのステンレスはピカピカです。

2番目も短い滞在。車を走らせ3番目に向かったのはご夫婦の家です。ここでは、 脳溢血で言語障害が残った奥さまの入浴介助。すでに赤い大きなタオルで身体を包んで、キッチンのテーブルに座って待っていました。 入浴の作業の正確さ、洗い方の丁寧さ、声かけのやさしさに感心しました。手早いのにあわただしくない。それ以上に参考になったのは、 自分でできることは、できるだけ本人にやってもらう姿勢です。立ち上がったり、座ったりするのも、 杖や手すりを使い本人の残っている能力を活用しています。お湯の温度も本人の手に当てて、これでいいかと聞いていました。

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写真は足の甲が伸びないようにする器具です。素敵なセーターに着替えて、キッチンに向かいます。 キッチンではご主人が朝食のオートメールを温めていました。作業療法士の方が週一回来て
奥さまと一緒にお料理を作るそうです。その時に座るのがこの椅子。高さの調整ができます。一緒に料理を作り、 記憶を残しておくというリハビリテーションがプロフェッショナルの手でなされます。
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居間にはたくさんの写真がかか っていて、ご主人は軍人さんであったことがわかりました。 射撃で賞を取った賞状をご主人が説明してくれました。介護における家族の役割をかいま見た気がしました。
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再び、車を走らせ、お姑さんのオリガさんの家に着いたのが8;45.オリガさんは着替えを済ませ、 キッチンのテーブルに腰掛けていました。部屋のブラインドも自分で開け、明るい光が差し込むなか、音楽がかかっています。 オリガさんの補聴器をかけ、朝食を用意、冷蔵庫の中身もチェックをします。 イングリッドさんはオリガさんの家からスープの冷めない距離に住んでいます。「夫が毎晩仕事の帰り道にオリガのところに寄るのよ」 と教えてくれました。この後、もう一軒立ち寄り、今日は私のインタビューがあるので、9:40にオフィスに戻りました。

投稿者 :rumi  |  2006年03月06日 05:44

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