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2006年02月17日

KARIDALの男の料理教室

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2月15日(水曜日)
昨年は施設ケアの取材に明け暮れましたが、今年は元気な高齢者の取材がメインです。ということで、 今日は高齢者のアクティビティの家として知られるカリダールに取材に来ました。男の料理教室です。 道に面したカリダールの建物に入ると中は下の写真のように2階建てのアパートが並んでいます。 ここはサービスアパートと呼ばれているところで、ひとりで暮らすのに不安を抱えた方が入居していて自立した生活をしています。その皆さんが、 遊びに来るのが正面の入り口から入るアクティビティの家です。ここで、実に活発な高齢者の自主活動が行われています。 アクティビティにあたる職員はフルタイムの勤務がアグネッタ・ノーランドさんと50%勤務のアンブリッドさんの二人。アンさんは 「男の料理教室」の先生です。毎月第1水曜日に行われていますが、今月だけ、第2水曜日です。

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ちょっと、遅刻をして部屋に入ったら、メンバーがすでにそろっていて、 始まる前のコーヒータイムを取っています。こちらの人はコーヒーが好き。朝はコーヒーブレイクから始まります。 去年来た時は台所が仮ごしらえだったのですが、去年の秋の改装でこんなに素敵なダイニング・キッチンができました。男性に囲まれているのが、 先生のアンさん、赤いセーターの男性がリーダー格で一番若い77歳のウッレさん、アンさんの右が80歳のアンドレさん。 その隣がインド人系イギリスの精神科医のシーマさん、カリダールにはボランティアでよく来ています。シーマさんの隣がボーリアさんで81歳。 手前が前回にはお会いしなかったレナートさん。皆さんからボスといわれているスティグさんは、今日はシャラオカに診察に行っているので、 12時ごろに食事にだけ参加です。

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今日のメニューは「Falskanka」  Falskは不正。Ankaはアヒル。安いポークで高いアヒル料理を偽ったもの。「ガンモドキ」ならぬ「アヒルもどき」です。 ポークは1,5キロで88,9クローネ、約1300円です。安いなあ。にんじん、たまねぎ、トマト、プルーンと一緒にオーブンで焼きます。 アリストスという付け合せのじゃがいももボイルします。デザートのコンポートはアンドレさんが脇役料理をまかせてとばかりに担当。 レナートさんはジャガイモの皮むき。にんじんの皮剥きはボリアさん。肉は料理上手のウッレさん。みんな仲良く、息があって、 自然な役割分担で調理が始まります。無口は男性が多いけれど、アンさんの明るい笑い声がたのしく響きます。 シーマさんは控えめに洗い物を手伝っています。

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さて、出来上がったお料理が下の写真です。これがおいしかった。本当に豚肉? というがうほどアヒルの味、といっても北京ダッグしか食べていませんが。テープルセッティングをして、みんなでテーブルに座ります。 私もゲストとしてご馳走になりました。スティングさんも帰ってきて加わります。

何より楽しかったのは会話。料理の先生でもあるアンさんが場を盛り上げます。 実はこの男性たちはみな一人暮らし。奥様に先立たれた方たちです。お互いが味わった喪失感を知っているから、 いたわりの気持ちがここに流れています。メンバーはこの料理教室を通じて知り合い、仲良しになり、普段もお互いに行き来をしています。 最後に材料費を仲間で分担します。アンさんは市の職員なので給料は市からでています。台所も市が提供。ただし、材料費は自己負担。 この合理性が優れていると思いました。

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投稿者 :rumi  |  2006年02月17日 08:35

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