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2006年02月17日

朝のささやかな食卓。

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2月14日(火曜日)

これが朝の食事です。いちばん気に入っているのは「麦のおかゆ」いわゆるオートミールです。 テーブルの右に置いてあるのがその袋で、スーパーに行くとたくさんの種類がならんでいます。 スコーネはスウェーデンの中で農耕地に恵まれている地域です。地平線まで肥沃な土地が広がり、秋には麦畑での収穫が見ものです。 下の写真は昨年9月1日にビリンゲというエスロブ自治体に含まれる農村の写真。ロールが転がっているのは、麦の束をまとめたもの。 壮観な風景でした。こちらの人にとって麦は生活に密着しています。この麦粥がおいしい。お腹にもいいし、癌の予防にもなるそうです。 夫の姉の夫のポンチャンと親戚から呼ばれている義理の兄は、私が渡したこのオートミールが気に入っているそうです。 ブルーのがおいしいと聞きました。こちらの「ソールフード」なのでしょう。

1860年から1930年にかけて、寒冷地スウェーデンでは農作の不況が続き、飢餓が生じて、 アメリカに130万人もの人々が移民しています。当時の人口の4分の1にあたる数です。日本人が、戦後、アメリカから仕入れた 「オートミール」という食べ物はこのスコーネの畑の麦が始まりではないかしら。ただし、移民の大半は土地が肥えていない、 スコーネの北のスモーランドかららしいです。スウェーデン出身のハリウッド女優イングリッド・バーグマンが、アガサクリスティの 「オリエンタル急行殺人事件」の映画にでるけれど、この小説のストーリーもスウェーデンのアメリカ移民がからんでいます。そういえば、 スウェーデン人の苗字もアメリカ人と似ている。アンダーソンさんなんてその典型。これがデンマークになると、 人魚姫のアンデルセンになります。

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コーヒーもおいしいです。 東京の私の家の近所でコーヒー豆を焙煎して販売しているコーヒー博士の細山さんから、スウェーデンのコーヒーはおいしいと聞きました。

お皿のグリーンはブロッコリー。冬はこちらのスーパーでは野菜の種類が実に少ない。今でも、 お年よりは生野菜を食べない人が多いと聞きましたが、もともと、野菜を作っていないのです。ビタミンの供給源としているのが、りんご。 日本の品種改良されたりんごとは大違いの、やせた小さなりんごが、何種類も山のようにスーパーで売っています。だいたい、 こちらの人は庭にりんごの木を植えて、りんごは買わないという人が多いです。食卓の青いりんごはシシリア・リンド市長からいただいたもの。 たった1つですが、まだ、食べられない貴重品。

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ついでながら、この写真は2004年に始めてスウェーデンに来た時に、 ストックホルム近郊のシグチューナというバイキングの遺跡がたくさん残っている小さな町で写したもの。小さな美術館のりんご祭りの写真です。 実にたくさんのりんごが飾られていました。また、何にでも、赤い実のジャムをかけて食べるのがスコーネ流。 リンゴンとよばれているコケモモの1種です。ケーキにも、肉料理にも、自家製のリンゴンジャムが、 スウェーデンの人々の郷愁を誘うソールフード。

牛乳も種類が多く、写真の牛乳は3%と書かれたものですが、40%というのもあります。 パックが小さいのは、学生寮の、共同で使う冷蔵庫に大きな牛乳パックを入れておいたら、誰かに飲まれたらしく、 持ち上げたら軽くなっていたので、小さいのに切り替えたのです。ついでに卵の6個入りをおいておいたら、2個なくなっていました。ちょっと、 感じが悪いできごと。

投稿者 :rumi  |  2006年02月17日 07:38

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