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2006年03月11日

冬に逆戻り ホームケアリハビリの取材

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3月1日(水曜日)

昨日のビリンゲからの帰り道、かなり冷え込んでいるなと思ったら、翌朝は雪。すでに、 たくさんの渡り鳥がエスロブに帰ってきて鳴き始めていますが、彼らも早く帰りすぎたと反省しているのでは。 こんなに雪の多い冬は南のスコーネでは25年ぶりだそうです。それでも、 足が不自由になった高齢者の方が歩行器を使い外出している元気な姿に出会いました。

今日の午前中はKARRAKRA(シャラオカ)という複合施設にホームケア・リハビリの取材です。 ホームケア・リハビリチームは昨年11月にスタートしたばかり。リハビリは脳溢血や転倒して骨折した後、退院した後に行うケースが大方です。 エスロブには、病院から帰った後にほぼ3つのケースがあります。自宅に住んでリハビリセンターに通う形式。 自宅に帰らずにショートステイをしながらリハビリをする形式。自宅でリハビリを行う形式の3つがあります。 ホームケアリハビリは昨年11月に発足しました。昨年、 私がエスロブを離れたのが10月23日。たった3ヶ月離れていただけなのに、エスロブのケアはイノベーションしていました。 昨年10月とはもう環境が変わっているのです。シャラオカも内装が綺麗になっていて、 ホームケアリハビリチームやホームケアアラームチーム専用のオフィスが作られていました。 エスロブのケアは呼吸をしながら日々生きていると実感しました。

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写真はイングリッドさん、1986年からアンダーナースとして働いています。 ホームケアリハビリのチームは4人のスタッフ。そのうちの一人がベテランのオキュペーショネルセラピスト(OP・作業療法士) のビルギッタさん。アンダーナースのイングリッドさんはOPのビルギッタさんとの連携でホームケアリハビリを行っています。 オフィスにかかっているホワイトボードにはがかかっていて、利用者の名前がイニシャルで、ETさんとか、VAさんとか書かれていました。 ホームケアの場合はプライバシーの保護も重要な仕事になります。インシュリンが必要とか、 病院から何日に帰ってくるなど一週間のメモが書かれています。

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ビルギッタさんは1980年からこの仕事を始めたベテラン。胸に名前を書いた名札をつけて出勤です。 車の雪払いから一日が始まります。今日はビルギッタさんとイングリッドさんの2人が利用者の元に出向きます。市内を出てすぐ、車窓の外に、 林やBosarpの教会が点在するスコーネの白化粧した平原が広がります。30分あまりでステハグに到着。利用者の女性はストローク (脳溢血)に会い先週、ルンドの病院から戻ってき たばかりです。 今日はリハビリ計画を本人と一緒にたてる訪問の目的です。

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利用者の女性と2人はテープルに腰かけ、「あー、そうかそうか」とか「うんうん」「そうね」など、 スウェーデン語の話せない私でも、聞き上手に話しながら、案外、しっかりしている高齢者の方の話を聞きます。途中、電話がかかりました。 エスロブのケアについて本を書きたいという日本人が同行する許可を得た息子さんがお母さんに大丈夫かと聞くためにかけた電話です。 リハビリは退院した一週間前から始めています。ビルギッタさんは彼女は前に戻れるのに、 もう何にもできなくなったと気が弱くなっているだけと診断しています。目標は「買い物に行くこと」と具体的に決まりました。

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OPが行うホームケアリハビリは、失われた日常生活動作を取り戻すためのリハビリです。 この日は肉団子を袋に小分けして入れる作業を、不自由な右手をカバーしながら練習しました。それが終わると、本人に確認して、散歩です。 雪の中を少し歩きました。彼女には何ができるのかの発見の仕事でもあります。この日、私が気づいたことがあります。 リハビリの仕事はあわただしい中で行うのではなく、じっくり腰をすえて行うものだということです。「すべて彼女のやり方でやの」 「忙しいとよくないのよ」とビルギッタさん。住み慣れた自宅に住むことをサポートするにはたくさんの援助があるのだとわかりました。

 

 

投稿者 :rumi  |  2006年03月11日 04:56

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