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2006年07月24日

やっと会えたケアマネージャー

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7月4日(火曜日)

このBistandsbedomareという看板がケアマネージャーという意味です。 ケアマネジャーに会いたいと思いながら、なかなか、出会えませんでした。ケアマネージャーという発想は厚生労働省の方か、 学者の方がスウェーデンをモデルに作ったんだ、と思いました。しかし、介護保険の審査委員会はありません。 サービスの内容はケアマネージャーが決められるのです。日本の場合は似て非なるアイデアだけを着用したようです。

自治体にはA4を2つに折った介護サービスの10種類以上のリーフレットがあり、 ケアマネージャーの案内には、地区ごとに分かれたケアマネージーの電話番号が書いてあります。 電話一本でケアマネージャーがすぐに高齢者を訪問。家族と本人のいる本人の家に行きます。そこで、高齢者のニーズを聞き、 ケアマネは事務所に帰り、すぐに、利用者の状況とサービス内容を書いた書類を作成します。ケアの手配の書類も作成。 隣の部屋の在宅介護チームの責任者のポストに入れます。3つ目の書類は高齢者に「決定」と書いた書類を送ります。 ケアマネの権限ですべてが決められます。決まった内容に高齢者が不満の場合は、県の裁判所に訴えます。

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写真は市内を担当するイボンヌさん。3種の書類を見本としてくれました。ただし、 名前のところを消して。写真は名前を消しているイボンヌさん。なんだか大らかな感じです。きちんと消えていなかったので、 書類の訳を頼んだシーマさんがはさみで切り取ってしまいました。無残な3枚の書類ですが、大事に持って帰ります。

ところで、エスロブ市には、家事援助も含めると700人近い介護認定を受けた高齢者がいますが、 ケアマネの数は4人。3人が日本と同じケアマネで在宅が主。施設も担当しています。社会サービス法にのっとった手配をしている人たち。 1人が病院を退院する時にサービスを決めるケアマネで、出身は地区ナースです。

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2006年07月24日 07:00 |  投稿者: rumi

カタリーナ・コリンさんの在宅介護

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7月3日(月曜日)

午前7:00 カタリーナ・コリンさんは今年50歳。彼女は在宅介護の市内チームリーダーです。 今日は彼女の働きぶりを取材します。もう、すでに3回ほど同伴しているので、今日は最終確認の同伴取材です。写真は、 市内チームの訪問介護ステーションは2つに分かれていて、その一つ南東チームの朝7時の風景が上の写真です。 6人が出動の準備打ち合わせをしています。3人がベテランで50代2人と60歳。3人が20代、30代です。 若い方の3人はマンパワーから来ている人で、レギュラーメンバーの夏休みの代行と急の欠勤の一人の埋め合わせで来ています。若いけれど、 マンパワーの人たちはエリート。どこででもすぐに働ける実力の持ち主たちが30人揃っています。どおりで若いけれど、 もの越しが落ち着いていると思った。

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7:30に訪問介護ステーションの事務所を出発。7:40に最初の訪問先に車で到着しました。 前にも伺ったご夫婦の家で、サルロップという13世紀に建った古い教会のある地域で、エスロブ市に最初にできた居住区です。 ともに120キロはありそうな80代の巨漢のご夫婦。2人とも起床の手伝いを待っています。まずはご主人から。 夜間に装着していた尿の管とビニールを外し、オムツを交換。ご主人は天井からぶら下がってハンドルを使い一人で起床。 歩行器を使いトイレに行きます。この後、奥さまの起床介助と足に血流をよくするストッキングを履かせて、着替えは自分でしてもらいます。 2人のベットメイキングも合間に済ませて終わり。寝ている時は重症に見えた両人とも着替えたのを見ると元気です。 食事の支度は奥さまの仕事です。カリンさんの凄いところはご主人とも奥様とも実にテンポよく会話をしている点です。手を動かしながら、 喋れるのが特徴です。家を出たときに時計を見ると、2人で30分の滞在。

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上の写真はトイレまで一人で歩行器を使っていった後の写真。トイレの外の写真です。 4つ目の写真はトイレの外においてあるこの日のゴミ。台所の生ゴミと紙ごみを手分けして、ゴミを捨てるのも大事な生活サポートの一つ。 トイレと着替えを終えたご主人は一人で髯をそります。できるだけ、何でも自分でするように、さりげなく介助しています。

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この朝、カリンサンが訪問したお宅は11時までに9軒を訪問。採血、入浴介助も含めての数です。 安否確認の5分の滞在も、実に存在感があり、落ち着いた手際の良さには改めて感服しました。 50代の働き手がエスロブでは働き盛りという印象を受けました。

2006年07月24日 01:21 |  投稿者: rumi

高齢者のリハビリテーション

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6月20日(火曜日)

話を少し前に戻します。写真は6月20日の取材に関してです。

写真はエスロブ市のリハビリテーションを総括するスタファン・オルソンさん。 スタファンさんはこれまで何度もインタビューしています(実は7回)。エスロブ市のリハビリは3種類。“短期在宅リハビリ” (脳卒中や骨折の治療が終わり、病院から家に帰った高齢者を理学療法士や作業療法士、アンダーナースとともに自宅で生活できるようにする)、 と長期の在宅リハビリ(在宅介護のチームと共に活動)、施設のショートタイムリハビリ(退院した後に機能回復する)の3種。 スタファンさんは、これ以外にナイトパトロールを含んだ在宅安全アラーム、高齢者の集会場カリダールを統括しています。 高齢者を元気にするのが彼の仕事。スタファンさん自身も理学療法士です。人望が厚く、滞在中にとてもお世話になりました。 写真は統計資料をパソコンで調べてくれているところです。

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スタファンさんはエスロブ自治体(市)のリハビリの統括ですが、 上の写真はエスロブが属するスコーネ県の地域医療センターのリハビリの場です。

ちなみに1992年のエーデル改革でスウェーデンは医療は県が、 ケアは市が受け持つように棲み分けされました。お医者さんは自治体に属していず、県に属しています。専門的な病気は県の病院に行きますが、 風邪などの初期医療は、エスロブに3つある地域医療センターで見てもらいます。しかし、リハビリは県も自治体も両方でやっています。 県のリハビリは、若い人や継続的なリハビリで、高齢者に直結したリハビリは自治体が受け持っています。

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2006年07月24日 01:08 |  投稿者: rumi

2006年07月23日

アイヌを連想するヴァイキングの生活。

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7月1日(土曜日)

ヴィンセント君の一家とバイキング市に行きました。バイキングの歴史に関しては少なからず、 興味を持っている私と、夫を車でエスロブから1時間かかって連れて行ってくれたのです。夫は明日帰ります。 ここは日本で言えば江戸村のようなもの。昔ながらのライフスタイルで夏の一時期過ごす人々の集まりです。 60年代に放浪をしてここに流れてきたヒッピーの人たちもいるそうです。

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この村を歩いていると夫は「アイヌの文様に似ている」 と彼らが作った織物や彫刻を見て感想をいいました。思えば、家の作りもどこかで見たような茅葺屋根もあります。 英語で書かれた歴史の本を買いましたが、読んでいる時間がありません。

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2006年07月23日 21:47 |  投稿者: rumi

地域ナースのサラさん

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6月28日(水曜日)

今日は地域ナースのサラ・アレッソンさんにインタビューしました。昨日、突然、 サラさんから電話があり、「私が夏の休暇に入る前に、ボスからあなたのインタビューを受けるように言われたとのことでした。

ボスとは、エスロブ市にいる35人の看護師を統括するヤート・モラーさん。 6月8日にインタビューした時に頼んだことが実現できました。地域ナースとは、在宅介護のチームと連携を取りながら、 高齢者のプライマリケア(初期医療)を行う看護師。エスロブ自治体には在宅介護と密着して12名がいます。残りは、介護付き特別住宅(施設) とリハビリセクションに23人がいます。

サラさんは、「ケアの仕事を重ねていると、こんなに魅力的な人が出来上がることがあるのだ」 と冷静なシーマさんも感激したほど、素晴らしい方でした。地域ナースは医師との連携を密にしながら、実際には、かなり、 権限を委譲されて自立した仕事をしている看護師。「私のボスは私」というくらい自分で判断して治療を行っています。イギリスでも地域ナース (CNS/クリニカル・ナーススペシャル)は医師との連携を取るものの、権限を任されて活動しる看護師さんがいます。そして、 CNSは技術だけではなく、人格的にも人生の経験を積んで成長した大人がなる仕事と位置付けていました。 インタビューしたサラさんには温かな懐の深さを感じました。「これから休みに入るけれど、わからないことがあれば、ここに電話をして」 と自宅の電話番号とメールアドレスを教えてくれました。

 

2006年07月23日 21:30 |  投稿者: rumi

10日間のブレーク

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6月22日(土曜日)

夫が23日から10日間エスロブに来ました。今回は私の最後の滞在でもあるので旅行をしないで、 私は仕事をしながら、エスロブでできた知人の家を訪ねました。ヴィンセント君のおばあちゃんの家。 日本人をこれで3人ホームステイしてくださったオケソンさんの家、料理が飛びぬけて上手なアンブリッドさんの家、そして、 私を担当してくrているクリスティーナさんの家などです。

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2006年07月23日 21:06 |  投稿者: rumi

「トーベルンド」という名の

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6月25日(日曜日)

これはエスロブ市にある「トーベルンド」という名の地域医療センターの看板。レジオンスコーネ (県)の管轄です。上からフィジカルセラピー、産婦人科、小児科、 看護学校という看板があります。ここは日本ではプライマリケア、つまり初期医療を受け持っているところです。 5月にインタビューした看護師のモナさんがここで医療の受付の仕事をしていました。日本だと町医者に診てもらう感じで、 自治体の人はここに来ます。そして、病院に行き、専門医の診断が必要だと、ここからルンドという急行の隣駅にある大きな病院に紹介されます。 初期医療ということで、ここのお医者さんは眼科や耳鼻科なども広く浅くみてくれます。ただし、お医者さんの数は7人。100% の勤務に換算すると、6,2人です。

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通訳のシーマさんがここに電話をかけてくれて、ちょうど、居合わせたレナ・ サンドバーグさんという看護師さんが案内をしてくれることになりました。シーマさんとレナさんに感謝。 彼女は日曜の勤務で帰宅前の1時間をさいて患者のいない病室を丁寧に案内してくれました。簡単な処置室もあり、怪我の手当てもできます。 薬も下の写真のように準備されています。日本に比べ、スウェーデンでは町の中にお医者さんが少ない感じです。医療費を抑えているというのが、 感想です。

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下の写真は受付センター。日曜もやっています。こちらでは、病気になったら、まず電話。 看護師のベテランが次に何をしたらいいのか。病院に行くのか、地域医療センターの医師の予約を取るのか、薬屋に行き、 風邪薬を買うのかを症状を聞きながら振り分けます。

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2006年07月23日 20:51 |  投稿者: tomokiyo